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『CO2から簡単にエタノールを生成する方法』の凄さを3分でわかりやすく解説

 皆さんはこの記事読みましたでしょうか。この技術を突き詰めていけば、エタノールを燃料として用いることが主流になるかもしれませんね。結構な衝撃を受けたので興奮冷めやらぬ間に記事を書いてしまいます。眠いけど。過去に化学をかじっていた頃の記憶を呼び戻すとともに、どこが優れているのか誰でもわかるように解説できればと思います。

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私が凄いと思った理由は主に3点です。

・保存性

・材料

・生成の条件

 〇保存性

 生成物であるエタノールの保存性が凄いです。

 皆の大好きなお酒に入ってるあれですね。エタノールの沸点は78℃ですのでよほどのことがない限り蒸発してなくなるということもありませんし、薬局では無水エタノール(純度99.5%)がプラスチック容器に入れられて売られています。また、注射されるときに腕に塗られるのもエタノールを薄めたものですね。このように消毒用途に用いられることもあり、危険性もそれほど高くはありません。しかし、薬局で売っている無水エタノール飲用すると死に至る場合もありますので炭酸水等で割って飲まないように!飲む場合はお酒を買いましょう。

 保存性の比較として電気を挙げますと、我々が使用している電気はそもそも保存することができません。そのため、バッテリー等で電気以外のものに変換・保存して、電気を使用する際に再変換してその都度使っているわけです。家庭やオフィスで使っている電気は24時間発電して送電してくれているわけです。いつもありがとうございます!

 他に次世代エネルギーとして最近よく目にする水素は、通常状態で気体ですので放っておくとどこかに飛んでいきます。電気と違い保存する方法があるのですが、気体状態で圧縮する・冷却して液体にする・金属に吸着(スポンジのイメージ)させるかのいずれかで、どれも短所があります。

 これらに比べるとエタノールプラスチック容器!ですので、かなり保存性が高いことがわかりますね。

 

〇生成の条件

 エタノールの生成がゆるい条件で進行する点が凄いです。

 上記の保存性と相まって、各家庭にエタノール生成装置というのが日常のことになるかもしれません。電気は送電する際にロスしてしまうため、使用場所と発電場所はできる限り近い方が効率が良くなります。そのため、各家庭で生成したエタノールからエネルギーを取り出して電気に変換すれば送電ロスは限りなくゼロです。

 さて、このエタノール化石燃料(石油や石炭)は燃焼させることでエネルギーを取り出すします。この燃焼という現象はある物質に酸素が急速にくっつく反応で、その時にエネルギーとして熱が発生します。発電所ではこの熱を利用して発電しているわけです。この燃焼反応を簡単に表すと次のようになります。

 

  燃料 + 酸素 → 水 + 二酸化炭素 + 熱

 

 左から右への反応は火をつけるだけで簡単に進行しますが、右から左への反応はめったなことでは進行しません。このような進行しづらい反応を促進させるには、圧力をかける・熱をかける・触媒を用いる等の方法があり、それらを組み合わせたりもします。化石燃料は圧力・熱をかけて生成しますし、お酒やバイオエタノールは微生物の力(触媒の一種と捉えられる)を借りて進行させていきます。

 ここで出てきた触媒というのは、反応の進行を促進するが触媒自身は変化せずに繰り返し使える物質のことです。キツネにつままれたようですけどね。

 そして、今回の研究触媒を用いて微弱な電流を流せば常温で反応が進行します。化石燃料やお酒のの場合よりもかなり早く反応が進みますし、触媒さえ用意できればかなりゆるい条件でエタノールを得ることができます。

 

〇材料

 そして、触媒の材料が安い点が凄いです。

 触媒として用いられるのは貴金属(白金やプラチナなど)のような材料自体が貴重で高価なものが多いです。必然として、触媒の価格が高くなってしまうため安い材料で代替する研究もあります。

 その点、今回の触媒の材料はケイ素・炭素・窒素・銅で、どれも貴金属に比べると格段に安いです。ケイ素は聞きなれないかもしれませんが、地殻(地球の表層部:地面)の1/4がケイ素で、フリスクにだって入ってます。結構身近な存在です。そのため、量産体制の構築・作成方法の研究によって、作成に係るコストが下がり、触媒自体の価格が下がります。特に炭素と窒素を混合したシートを作る手法がメジャーなものではない*1ため、研究が盛んになることでコストが一気に下がる可能性があります。

 

*1 ついにCVDが陽の目を浴びる時代がくるかもしれない。

 

〇さいごに

 いかがだったでしょう。少しでも凄さが伝わりましたか。全身に鳥肌が立った私の感覚を共有してもらえたら幸いです。

 最後までお読みいただきありがとうございました。

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